クラブとエージェントとの関係性(北海道コンサドーレ札幌/2020冬編)

クラブとエージェントとの関係性

J1に定着し始めた頃に浦和レッズ等で指揮していた監督「Michael Petrovic(ミハイロ・ペトロヴィッチ)」を招集したことがきっかけに実力揃いのブラジル人を獲得するようになった経緯がある。

フロント事情以外にも理由があるかもしれない。
というわけで今回は北海道コンサドーレ札幌に所属する全選手のエージェント(代理人)について解明して考察も加えたのでボリュームな内容でお届けするうううううううううう~~~。

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3大勢力 ✖ 毎回多額の支払い ✖ チャナティップ

監督:Michael Petrovic⇒Robert Cibej(SVN)

GK:Kawin Thamsatchanan⇒Nonsrichai Thritthi(GER?) ※クラブ側仲介
GK:菅野 孝憲⇒遠藤 貴(JPN) ※ユニバーサルスポーツジャパン
GK:阿波加 俊太⇒なし?
GK:中野 小次郎⇒なし?
GK:川上 隼⇒なし?

DF:菅野 紘希⇒なし?
DF:進藤 亮佑高木 泰裕(JPN) ※JSP
DF:福森 晃斗⇒田邊 伸明(JPN) ※JEB
DF:金眠泰⇒Yang JungKyu(KOR) ※Global Sports Agent C2 かつて”趙 成文”が仲介
DF:石川 直樹熊崎 厚夫(JPN) ※JSP
DF:濱 大耀⇒海田 恭彦(JPN) ※トータルプラン
DF:田中 駿汰⇒田邊 伸明?(JPN) ※JEB

MF:木戸 柊摩⇒なし?
MF:深井一希⇒秋山 祐輔(JPN) ※SARCLE
MF:宮澤 裕樹⇒田邊 伸明(JPN) ※JEB
MF:高嶺 朋樹⇒なし?
MF:荒野拓馬⇒添田 貢広?(JPN) ※アプリシエイト
MF:藤村 怜⇒高木 泰裕(JPN) ※JSP
MF:Lucas Fernandes⇒Eduardo Uram(BRA) /稲川 朝弘 ※クラブ側仲介
MF:早坂 良太⇒吉見 潤(JPN) ※ジェイプランニング
MF:菅 大輝⇒高木 泰裕(JPN) ※JSP
MF:中野 嘉大⇒田邊 伸明(JPN) ※JEB
MF:白井 康介⇒秋葉 陽一(JPN) ※F-E-T Co.,Ltd
MF:Chanathip Songkrasin⇒Nonsrichai Thritthi(GER?) ※FPS Management & Consulting
MF:駒井 善成⇒的地 酉(JPN) ※シンプレ
MF:金子 拓郎⇒なし?

FW:大和 蓮⇒なし?
FW:佐藤 陽成⇒なし?
FW:Anderson Lopes⇒Felipe Ferreira?(BRA)/稲川 朝弘 ※クラブ側仲介
FW:Hugo Vieira⇒? ※PROELEVEN GESTÃO DESPORTIVA LDA
FW:Jay Bothroyd⇒SAHIL BHAT? Libero Sports?/田邊 伸明 ※クラブ側仲介
FW:Douglas⇒? ※GT Sports/稲川 朝弘 ※クラブ側仲介
FW:小柏 剛⇒なし?
FW:中島 大嘉⇒なし?

参考:http://www.jfa.jp/documents/pdf/basic/intermediary/transaction_2019.pdf

3大勢力が均等にクライアント数を分け合っている。
ほぼ全て外国人に対してクラブ側仲介として報酬を支払っている。
タイのみならず南米にもコネクションを持つ事務所。

他クラブにはない3大勢力の実情

北海道は他のJクラブ同様、大手事務所「JSP(ジャパン・スポーツ・プロモーション)」の日本人クライアントが在籍していることは何も驚きはない。

PARTNER:J1 | FOOTBALL PLAYER'S AGENT
株式会社ジャパン・スポーツ・プロモーションは、スポーツを愛する一人一人のサポートをはじめ、スポーツ界全体の発展に貢献する企業を目指しております。サッカー選手エージェント、サッカー・フットサル大会の企画運営、サッカー・フットサル遠征・合宿手配、を主な業務としております。

目につくのは外国籍に関してほぼ日本人エージェントが仲介している点である。一部のJクラブでは詳細が明記されていなかったりと不明なところが多かった。北海道の場合、殆どの外国人加入に関して支払いが行われている。

詳細は後ほど紹介するとして、代表取締役社長である「野々村芳和」氏と親交があると言われる「(20-091) 田邊 伸明」の存在は大きい。

株式会社ジェブエンターテイメント|JEB ENTERTAINMENT co.,ltd.
フットボーラーの総合マネジメントサービス。プロダクション業務、エージェント業務、財務管理・税務補助業務、他。

2020年2月頃には期待株「田中 駿汰」との契約を果たす等、北海道の若手にも注目しているのは事実だ。別に”契約=悪”というわけではないがサッカー人生を多く左右するクラブ探しに田邊氏を選ぶというのも運命なのだろう。

(20-064)稲川 朝弘」との取引に参加しているのも変化の兆しかもしれない。

株式会社スポーツ ソリューション インターナショナル|Sports Solution INT'L Inc.
プロサッカー選手の代理人業務をメインとした株式会社スポーツ・ソリューション インターナショナルのウェブサイトです。数多くの選手が所属し活躍をしています。

仲介に関して、こちらも後ほど紹介するとして2018年頃は柏レイソルとの関係が薄くなってきた時期で新たな大きな顧客として北海道を選んだようだ。「野々村芳和」社長は元ブラジル代表ロビーニョ獲得を狙っていたらしいが失敗に終わった過去がある為なのか、今後の即戦力になるブラジル人獲得の為に稲川氏を頼ったのだろうか?



そんな3大勢力の近況状況を軽く説明した上で”クラブ側仲介”についてグラフとともに確認していこう。

毎年2000千万円以上支払うビッククラブへ

2015年:2,072,100円
(小林 博⇒IRFAN “選手契約に関する交渉”)
(趙 成文⇒Gu Sung-Yun “選手契約に関する交渉”)

2016年:15,782,188円
(趙 成文⇒Gu Sung-Yun “選手契約に関する交渉”)
(趙 成文⇒キム ミンテ “選手契約に関する交渉”)
(Umeoka Fernando Masayoshi⇒Diego Macedo “選手契約に関する交渉”)
(Umeoka Fernando Masayoshi⇒Júlio “選手契約に関する交渉”)
(Umeoka Fernando Masayoshi⇒Jonathan Jackson de Lima Reis “選手契約に関する交渉”)
(Umeoka Fernando Masayoshi⇒Luis Paulo da Silva “選手契約に関する交渉”)

2017年:21,977,530円
(田邊 伸明⇒ジェイ ボスロイド “選手契約に関する交渉” 計2回)
(趙 成文⇒Gu Sung-Yun “選手契約に関する交渉”)
(趙 成文⇒キム ミンテ “選手契約に関する交渉”)
(添田 貢広⇒チャナティップ ソングラシン “選手契約に関する交渉” 計2回)

2018年:68,139,964円
(木元 匡⇒岩崎 悠人 “移籍合意に関する交渉”)
(稲川 朝弘⇒LUCAS FERNANDES “移籍合意及び選手契約に関する交渉” 相手Fluminense FC)
(稲川 朝弘⇒ANDERSON LOPES “移籍合意及び選手契約に関する交渉” 相手Tombense FC)
(秋山 祐輔⇒チャナティップ ソングラシン “選手契約に関する交渉”)
(田邊 伸明⇒ジェイ ボスロイド “選手契約に関する交渉”)
(趙 成文⇒Gu Sung-Yun “選手契約に関する交渉”)
(趙 成文⇒キム ミンテ “選手契約に関する交渉”)

2019年:31,680,040円
(稲川 朝弘⇒ANDERSON LOPES “選手契約に関する交渉”)
(稲川 朝弘⇒LUCAS FERNANDES “移籍合意及び選手契約に関する交渉” 相手Fluminense FC)
(稲川 朝弘⇒Douglas “移籍合意及び選手契約に関する交渉” 相手NAVEGANTES)
(秋山 祐輔⇒チャナティップ ソングラシン “選手契約に関する交渉”)
(田邊 伸明⇒ジェイ ボスロイド “選手契約に関する交渉”)
(趙 成文⇒Gu Sung-Yun “選手契約に関する交渉”)
(趙 成文⇒キム ミンテ “選手契約に関する交渉”)
(Nonsrichai Thritthi⇒Kawin Thamsatchanan “移籍合意及び選手契約の交渉” 相OH Leuven)

参考:http://www.jfa.jp/football_family/intermediary/

↑を見ても他Jクラブではあまりお目にかかれない取引数の多さだ。報酬額はもはやJ2クラブではない毎年平均2000千万円以上支払っている。



特に2018年度は約7000千万円発生しており、その要因の一つは稲川氏が連れてきたブラジル人たちに関する仲介だ。”移籍合意に関する交渉”の多くは違約金が絡むケースが多く金額が跳ね上げる傾向がある。そんな状況でも獲得を望んだフロント陣にも変化があったのだろうか?

決算情報を閲覧すると経営は安定している数字を残していることも一因かもしれない。

https://www.consadole-sapporo.jp/club/settlement/images/2019/06/H30Financial-statement.pdf

2016年度には「(20-121) Umeoka Fernando Masayoshi(フェルナンド梅岡)」が4選手に関して仲介に携わっている。一昔は北海道はフェルナンド梅岡がブラジル人を安価で連れてきてもらっていた。

http://www.ifafootball.com.br/

↑もう誰も覚えていないだろうけど一応載せておくが練習参加していたブラジル人「Elías」もフェルナンド梅岡のクライアントだった。結局北海道に加入することなく中東へ飛び立ってしまった。

近い将来ヨーロッパへ挑戦するのか?

いまや必要不可欠であるタイ代表「Chanathip Songkrasin(チャナティップ ソングラシン)」。

彼をマネジメントしているのが「FPS MANAGEMENT & CONSULTING」の「(20-234) Nonsrichai Thritthi」と「Benni Lohwasser」ペアといわれている。

Home - FPS Management Consulting
We transfer — FPS is the specialist in traditional sports management and consulting for professional soccer players. We support the player from contract

Chanathipが加入する初年度ではアプリシエイトの「(20-102) 添田 貢広」がクラブ側仲介を行っている。彼らとの接点は未だに明かされていないが少なくともコネクションはあったようだ。

2年目以降は何故かSARCLEの「(20-079)秋山 祐輔」に代わって同じように仲介しているのだが、こちらも理由は不明。興味深いのは「田邊 伸明」氏が経営する「JEB(ジェブエンターテイメント)」公式HPSARCLEのHPに2020年度からChanathipの顔写真とプロフィールを掲載していたのだが何故か10月頃に両社とも削除されている。クライアントの共同保有だったのかどうかは不明だが、もしかすると日本でプレイする時期が限られているのだろうか?

ここ数年で日本に近づいてきたドイツ、南米にも支社がある事務所で過去の実績を遡ると有名なのが元日本代表「細貝萌」の「Buriram United F.C.」移籍に関する仲介だ。

他にも大分トリニータ「Thitipan Puangchan(ティティパン)」等もパートナーである大野 祐介の協力を得て加入に成功している。度々タイからJクラブへの移籍報道が流れているが彼らも売り込みという形で日本市場進出拡大を狙っているのか?

強化担当について

2018年度から強化部長職を復活させ、名古屋グランパスで強化担当を勤めていた「竹林京介」が就任した。GM(ジェネラル マネージャー)である「三上大勝」と「鈴木智樹」スカウトとともにチーム編成に全力を尽くす。

札幌竹林強化部長 本州での経験を故郷に還元する - J1 : 日刊スポーツ
 北海道コンサドーレ札幌は今季から強化部長の職を復活させ、室蘭市出身で前名古屋強化担当の竹林京介氏(42)が就任した。強化面を向上させてJ1定着を目指したいク… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)

だが名古屋グランパスといえば稲川朝弘の顧客クラブの一つであり、2018年度から彼とコネクションある事務所の選手が北海道に流れているのは事実。恐らく竹林氏と稲川氏2人は大森征之同様に非常に仲が良かった可能性が高い。

来シーズン以降もクライアントが北海道にやってくるかもしれない。

来シーズンに向けて

北海道コンサドーレ札幌 売上/利益/業績推移の決算グラフで経営分析 2023
数字のみの財務諸表をグラフに変換。売上、利益、総資産、内部留保を同じ縮尺で並べて、かんたんに決算を確認できます。北海道札幌市に本拠地を置くJリーグクラブ、北海道コンサドーレ札幌、業績の推移や財務を紹介。

既にザスパクサツ群馬からDF「岡村大八」獲得合意したとの合意が報道されている。

https://hochi.news/articles/20201201-OHT1T50176.html
J1定着に貢献してくれたベテラン「石川直樹」と「早坂良太」引退により穴埋めの為に対人能力とスピードに定評ある岡村に目をつけたようだ。事務所は大手「フットステージ」と北海道と近年交流は少ないが問題はないだろう。

逆にこれら以外にキム ミンテがエージェント「趙 成文」から韓国人「Yang JungKyu」に変更したことにより退団するのではないかと予想されている。


昨年退団した具聖潤(ク サンユン)も同じエージェントに変更し数ヶ月後、韓国に帰国しているので
キム ミンテも兵役等を理由に移籍する可能性がある。となると補強の一つとして中盤(MF)系を既に探しているかもしれない。

~~終わり~~

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