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クラブとエージェントとの関係性(柏レイソル/22年編)

来年ACL出場の切符まであと一歩まで迫っている。リーグ序盤戦を上手く乗り越え、1ケタ順位をキープ。残り4試合次第で目標は達成できる可能性がある。※第30節消化時

そんな中、チーム内の選手とエージェントとの関係性、仲介料について変化が表れている。特にトップチームに昇格した若手たちのアプローチだ。それは柏でプレイし、ベルギーで才能を開花した日本代表「伊東 純也」の後に続く形で海外クラブへ移籍する若手が増えている背景がある。

また助っ人外国人の交渉において、重要なクラブ側における仲介で発生した手数料が柏の場合、仲介人制度始まった以降、最高金額を更新したことは注目せざるを得ない。

まずは毎回恒例ではあるが監督、選手に付いているエージェントについて見てみよう。昨年の記事と比べてみると面白いかも。

クラブとエージェントとの関係性(柏レイソル/21年編)
積極的な補強がなかなか成績に反映されない苦しいシーズンを送っている柏レイソル。 一方で攻撃でのチームの原動力だった「江坂 任」が浦和レッズへ電撃移籍するなど、サポーター、ファンにも激震が走っている。U18から昇格した若手に関して、今後大き...
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UDN/JSP・報酬額1億円・布部 陽功

監督:Nelsinho Baptista⇒?
コーチ:井原 正巳⇒佃 ロベルト? or 西塚 定人? or 坂田 大輔
コーチ:藤田 優人⇒武井 択也?(JPN) ※イマージェント

GK:金 承奎⇒Son ho-Kim(KOR) ※FS CORP/本田弘幸 クラブ側仲介なし
GK:佐々木 雅士⇒柳田 佑介(JPN) ※グロボル・フットビズ・コンサルティング
GK:猿田 遥己中澤 聡太(JPN) ※JSP
GK:松本 健太⇒小野 壮彦?(JPN) ※ASTONICK
GK:ハーパー タイガ オリバー⇒なし?

DF:土屋 巧⇒なし?
DF:田中 隼人? ※UDN
DF:古賀 太陽⇒段家 卓也(JPN) ※UDN  19年度までMaurizio Moranaが担当
DF:大南 拓磨⇒奥出 真士(JPN) ※R4SE
DF:Emerson Santos⇒Shaiene Botelho? ※L&V sports /西真田 佳典 クラブ側仲介
DF:上島 拓巳薗田 淳(JPN) ※UDN/20年度まで藤田 邦広が担当
DF:高橋 祐治⇒田邊 伸明(JPN) ※JEB /過去に佐久間 清次が担当
DF:染谷 悠太⇒坂井 充隆(JPN)※ジェイピーコンサルティング
DF:田中 隼人⇒なし?
DF:三丸 拡⇒秋葉 陽一(JPN) ※F-E-T CO.,LTD.
DF:岩下 航菊地 智哉(JPN) ※JSP
DF:大嶽 拓馬⇒小野 壮彦?(JPN) ※ASTONICK
DF:北爪 健吾⇒小林 博(JPN)※JSM
DF:川口 尚紀⇒植木 竜介(JPN)※MYYK

MF:加藤 匠人⇒なし?
MF:揖斐 俊斗⇒なし?
MF:椎橋 慧也⇒坂井 充隆(JPN)※ジェイピーコンサルティング
MF:大谷 秀和⇒宮地 祐樹(JPN) ※Hiru-Chi Japan Management
MF:山田 雄士⇒良藤 辰夫(JPN) ※Shuma
MF:Dodi⇒? ※Marcio Bittencourt Sports/SB Sports 西真田 佳典 クラブ側仲介
MF:三原 雅俊⇒高木 泰裕(JPN)※JSP 
MF:戸嶋 祥郎⇒藤田 邦広(JPN) ※UDN
MF:小屋松 知哉⇒中村 大志(JPN) ※BALLONDOR JAPAN
MF:Matheus Savio⇒Jefferson Daniel? ※MAGNITUDE SPORTS/西真田 佳典 クラブ側仲介
MF:中村 慶太⇒石田 博行(JPN) ※ODOROKI 

FW:真家 英嵩? ※UDN
FW:升掛 友護⇒なし?
FW:鵜木 郁哉⇒野村ダン? or 関根 圭祐? ※ATHLETE SOLUTION
FW:武藤 雄樹⇒野村 豊幸(JPN) ※エースポーツクリエイション/契約交渉 計2回
FW:Douglas⇒Gabriel Lima(BRA)他/西真田 佳典 クラブ側仲介
FW:細谷 真大⇒中澤 聡太(JPN) ※JSP
FW:Rodrigo Angelotti⇒? ※NB Sports/Unione Calcio
FW:森 海渡中澤 聡太 ※JSP

赤文字:新加入
青文字:退団

参考:http://www.jfa.jp/football_family/intermediary/

ついにUDNとJSPのクライアントが5人と同数となる。
仲介人制度開始以来、最大の報酬額を記録。
ユース上がり選手が今後もエージェントと契約する傾向が強くなるのか?

台頭してきたマネジメント会社”UDN”

この1年でUDNはJ選手のクライアントに対して多く契約を進め、大手として成長を果たしている。その影響力が各Jクラブにも及ぼしており、柏ではトップに上がったばかりの若手も例外ではない。日本U19代表「田中 隼人」や昨年トップチームに昇格した「真家 英嵩」等、将来柏の未来を背負う選手に目をつけられている。

UDN SPORTS - アスリートが、社会を変える。あなたと変える。
UDN SPORTSはアスリートが培った経験や知識を尊重しつつ、彼らの活動を支援していきます。 アスリートの参画による社会貢献活動や商品開発等を展開し、より良い未来の実現を目指します。アスリートと共に社会を変えるサポーターを募集しています。

一方で”JSP”所属で現役時代はガンバ大阪等でプレイした「(22-249)中澤 聡太」が横浜FCから復帰した「猿田 遥己」、柏ユース出身で筑波大学卒業を前倒しでプロ入りした「森 海渡」をマネジメント。毎年、各Jクラブにいるクライアントを頻繁に入れ替える傾向がJSP。彼らの出場機会を考慮すると来年いない可能性がある。

PARTNER:J1 | FOOTBALL PLAYER'S AGENT
株式会社ジャパン・スポーツ・プロモーションは、スポーツを愛する一人一人のサポートをはじめ、スポーツ界全体の発展に貢献する企業を目指しております。サッカー選手エージェント、サッカー・フットサル大会の企画運営、サッカー・フットサル遠征・合宿手配、を主な業務としております。

来年以降はチーム事情にもよるが強化編成含めて、この2社の動向に大きく左右されると予想される。

因みにサガン鳥栖から加入した「守田 達弥」は「椎橋 慧也」、「染谷 悠太」が在籍している”ジェイピーコンサルティング”の「(22-056)坂井 充隆」のクライアントである。

オルンガ移籍で得た違約金の結末

2015年:0円

2016年:11,421,180円
(小林 博⇒Cristiano “選手契約に関する交渉”)
(木村 精孝⇒Ramon Lopes de Freitas “選手契約に関する交渉”)

2017年:18,000,000円
(木村 精孝⇒金 甫炅 “選手契約に関する交渉” 計2回)

2018年:20,535,000円
(西真田 佳典⇒Richardson “移籍合意及び選手契約に関する交渉” 相手先/Ceara SC)

2019年:0円

2020年:35,125,090円
(西真田 佳典⇒Richardson “選手契約の交渉”)
(西真田 佳典⇒Matheus Savio “選手契約の交渉” 計2回)

2021年:160,964,400
(西真田 佳典⇒Emerson Raymundo Santos “移籍合意及び選手契約に関する交渉”相:SE Palmeiras)
(西真田 佳典⇒Emerson Raymundo Santos “選手契約の交渉”)
(西真田 佳典⇒Douglas Moreira Fagundes “選手契約の交渉” 計2回)
(西真田 佳典⇒Matheus Gonçalves Sávio “選手契約の交渉” 計2回)
(西真田 佳典⇒Richardson Fernandes dos Santos “選手契約の交渉”)
(西真田 佳典⇒Dyanfres Douglas Chagas Matos “選手契約の交渉”)
(高木 泰裕⇒イッペイ シノヅカ “移籍合意に関する交渉” 相手先:アルビレックス新潟)
(高木 泰裕⇒イッペイ シノヅカ “移籍合意及び選手契約に関する交渉” 相手先:大宮アルディージャ)

参考:http://www.jfa.jp/documents/pdf/basic/intermediary/transaction_2021.pdf

この支払い金額を見てみたら、驚くだろう。総額1億6千万円。だが残念なことに成績に繋がっていない。既に退団しているエメルソン(Emerson)に関してはパルメイラスと交渉して違約金約2億円を支払いについて”JSP”所属「(22-046)西真田 佳典」が柏側として仲介した。恐らく支払手数料が高額になっているのは要因と思われる。

昨シーズン(20-21)に加入したエメルソンだがリーグ戦8試合、カップ戦2試合のみ。今年に関してはルヴァン杯グループC第2節北海道コンサドーレ札幌戦ベンチ入りのみで、その他ベンチ外。完全に干されていた状態でアトレチコ・ゴイアニエンセへ放出。

柏は2年周期でブラジル人を入れ替える傾向があるが、そこまで支払う必要性があったのか疑問。ネルシーニョ監督からのリクエストにしても、金額が”デカ”すぎる。

一部選手のエージェント事情に触れるとブラジル人ドゥグラスはヴィッセル神戸加入頃まで「(22-064)稲川 朝弘」が窓口として仲介していた(記録には残っていない)と言われている。

イッペイ シノヅカは元々JSP所属ではなく、元日本U23代表「ファン ウェルメスケルケン 際」等オランダ人を基本受け持っている「(22-135)Linton Jayson Posthumus」のクライアントだが大宮、新潟仲介に関しては「(22-055)高木 泰裕」が行った。彼らが正式なパートナーかはどうかは不明。

フロントの影響力

なぜJSPがここまで編成に関与してくるのか?フロントに目を向けるとゼネラルマネージャー「布部 陽功」はJSP所属である。

布部 陽功 | MANAGEMENT
株式会社ジャパン・スポーツ・プロモーションは、スポーツを愛する一人一人のサポートをはじめ、スポーツ界全体の発展に貢献する企業を目指しております。サッカー選手エージェント、サッカー・フットサル大会の企画運営、サッカー・フットサル遠征・合宿手配、を主な業務としております。

選手獲得で重要である人脈をマネジメント会社の関係者に繋げてもらうのは決して悪いことではないと思う。結果的に今季1ケタ順位を狙えており、若手も順調に成長している。しかし、先ほど紹介したブラジル人獲得においての膨大な仲介料高騰は評価できない。クラブ経営において苦しい状況であれば尚更。既に数人は退団してしまっており、元金を取り戻すのは容易ではなく、ACL出場を狙っているのであれば来シーズンに向けてチーム編成の改革を余儀なくされる。

レイソルの社長、チーム強化責任者の変遷について
TOPチームの調子が悪いと責任を問われる声が大きくなるのはサッカークラブの性です。よくフロントという言葉が使われますが、この言葉も実に曖昧ですが…。このページですが、引っ越す前のBLOG時代から柏の調子が悪いとアクセスが増えるという関係性に

まとめ

ネルシーニョ監督も72歳と高齢であり、いつ引退してもおかしくない。となると後任が誰になるのか?新たなブラジル人を招聘する手もあるが、もし日本人であればネルシーニョの右腕であり、アビスパ福岡で指揮したことがある「井原 正巳」や大宮アルディージャでヘッドコーチを務めているOB「北嶋 秀郎」等(北嶋はS級ライセンスを持っていない)。

現時点でフロントに動きがないので来年も「布部 陽功」中心にJSPと連携しながら強化を進めていくと予想される。だが経営状況が悪化しており、当期純利益がマイナス4億円を計上しているので大型補強を敢行するのは非常に難しい。

柏レイソル 売上/利益/業績推移の決算グラフで経営分析 2023
数字のみの財務諸表をグラフに変換。売上、利益、総資産、内部留保を同じ縮尺で並べて、かんたんに決算を確認できます。千葉県柏市に本拠地を置くJリーグクラブ、柏レイソル、業績の推移や財務を紹介。

これらの問題を一つ一つ乗り越えながらエージェントたちを上手にやっていくのが理想だろう。

~終わり~

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