クラブとエージェントとの関係性(湘南ベルマーレ/2022年編)

今シーズンもJ1残留に巻き込まれた格好だったが見事目標を達成した湘南ベルマーレ。

だが一方で主力だった「田中 聡」の退団やガンバ大阪からレンタルでプレイしている日本代表「谷 晃生」の去就等があり、問題は山積みだ。そこにはエージェント(代理人)の思惑も絡んでいるので一筋縄ではいかないのがサッカー界の面白いところ。

今回の調査で湘南のエージェント事情に変化が見られたので過去記事と比べながらお読みください。

クラブとエージェントとの関係性(湘南ベルマーレ/21年編)

毎年主力メンバーが放出されても、持ち前のプレッシングサッカーでJ1リーグを生き残ってきた。 そんな中、若手の台頭により、JFAエージェントが近づいている動きがある。それはJリーグ共通の出来事であり、湘南ベルマーレも例外ではない。リーグ終盤...

junjun-football.com

2021.10.30

JEB × 5000万円 × OBバイーア

監督:山口 智⇒なし？
トップチームコーチ:白石 通史⇒なし?
トップチームコーチ:古賀 正紘⇒なし?
アシスタントコーチ:高橋 健二⇒なし?

GK:谷 晃生⇒本田 弘幸(JPN) ※Heroe /20年度まで新井場 徹が担当
GK:富居 大樹⇒吉見 潤(JPN) ※ジェイプランニング
GK:馬渡 洋樹⇒佐久間 清次(JPN) ※eAMA
GK:立川 小太郎⇒髙橋 佑行(JPN) ※ワンダレスト 契約交渉 計2回

DF:石井 大生⇒田邊 伸明(JPN) ※JEB
DF:松村 晟怜⇒なし?
DF:石原 広教⇒石川 大徳(JPN) ※スポーツ・ソリューション
DF:舘 幸希⇒久米 宏典(JPN)  ※フットステージ
DF:大野 和成⇒上西園 彬(JPN) ※SQUARE SPORTS
DF:大岩 一貴⇒吉見 潤(JPN) ※ジェイプランニング
DF:福島 隼斗⇒菊地 智哉(JPN) ※JSP
DF:蓑田 広大⇒なし？
DF:杉岡 大暉⇒なし?
DF:山本 脩斗⇒熊崎 厚夫(JPN) ※JSP

MF:平岡 大陽⇒なし？
MF:原 直生⇒なし？
MF:鈴木 淳之介⇒なし?
MF:米本 拓司⇒佃 ロベルト(JPN) ※スポーツコンサルティングジャパン
MF:永木 亮太⇒柳田 佑介(JPN) ※グロボル フットビズ コンサルティング
MF:田中 聡⇒田邊 伸明(JPN) ※JEB
MF:茨田 陽生⇒遠藤 貴(JPN) ※ユニバーサルスポーツジャパン
MF:岡本 拓也⇒遠藤 貴(JPN) ※ユニバーサルスポーツジャパン
MF:古林 将太⇒小林 博(JPN) ※JSM
MF:瀬川 祐輔⇒遠藤 貴(JPN) ※ユニバーサルスポーツジャパン
MF:高橋 諒⇒西岡 明彦(JPN) ※フットメディア
MF:畑 大雅⇒薗田 淳(JPN) ※UDN
MF:山田 直輝⇒大野 祐介(JPN) ※アスリートプラス
MF:若月 大和⇒田邊 伸明(JPN) ※JEB

FW:鈴木 章斗⇒なし?
FW:池田 昌生⇒吉見 潤(JPN) ※ジェイプランニング
FW:Tarik Elyounoussi⇒? ※CLS MUNDIAL/遠藤 貴 クラブ側仲介 
FW:町野 修斗⇒上西園 彬(JPN) ※SQUARE SPORTS/20年度まで佐久間 清次が担当
FW:Wellington⇒Cristiano Manica? ※C.M. ASSESSORIA ESPORTIVA
FW:大橋 祐紀⇒大野 祐介(JPN) ※アスリートプラス
FW:根本 凌⇒なし？

OB:André Bahia

赤文字:新加入
青文字:退団

参考:http://www.jfa.jp/football_family/intermediary/

・JEBのクライアントが今年から移籍に増え始めている。
・仲介報酬額、約500万円。
・20年に引退、現在はエージェントとして活動。

エージェント勢力図の塗替え?

過去の記事から見て19年以降、湘南はイングランドのエージェントライセンスを持つ「(22-068)遠藤 貴」の影響力が高めていた。しかし、今年は変化が表れている。それは日本代表「前田 大然」等をマネジメントしている「ジェブエンターテイメント」のクライアント数が増えていることから来シーズンの補強に変化があると見られる。

株式会社ジェブエンターテイメント｜JEB ENTERTAINMENT co.,ltd.

フットボーラーの総合マネジメントサービス。プロダクション業務、エージェント業務、財務管理・税務補助業務、他。

www.jebentertainment.jp

例えば今季加入した「若月 大和」、ユース上がりの「石井 大生」と契約し、「田中 聡」のベルギー「KV Kortrijk」移籍の仲介を行う等、湘南との関係が深まりつつある。さらにガンバ大阪を退団した「小野瀬 康介」の23年シーズンでの入団が発表されている。

来年の成績次第では、このエージェントによる勢力図が塗り替わる可能性があるので注意深く見ていく必要がある。

外国人獲得の裏側

2015年:2,293,572円
(遠藤 貴⇒Tando Velaphi “選手契約に関する交渉”)

2016年:3,577,920円
(松浦 修也⇒Weslley Smith Alves Feitosa “選手契約に関する交渉”)
(遠藤 貴⇒Tando Velaphi “選手契約に関する交渉”)

2017年:10,437,200円
(熊崎 厚夫⇒Lee Jeong Hyeop “選手契約に関する交渉”)
(高木 泰裕⇒Mrđa Dragan “選手契約に関する交渉”)

2018年:0円

2019年:15,510,726円
(本田 弘幸⇒Tokaç Ömer Berke “選手契約の交渉”)
(遠藤 貴⇒Tarik Elyounoussi “選手契約に関する交渉”)

2020年:0円

2021年:5,378,659円
(遠藤 貴⇒Tarik Elyounoussi “選手契約に関する交渉”)

参考:http://www.jfa.jp/football_family/intermediary/

加入3年目に突入している元ノルウェー代表「タリク･エルユヌシ(Tarik Elyounoussi)」。2年おいての仲介なので2年半の契約だったと推測できる。タリク側のエージェントであるスウェーデンの仲介人リストに登録している「CLS MUNDIAL」の「Haris Skenderovic」がTwitterでツイートしている。

また湘南側として仲介した「(22-068)遠藤 貴」は過去にスウェーデン人選手を某Jクラブに送り込んでいることから近年は東欧のエージェントとのコネクションをフルに活用しているようだ。

因みに今季途中に加入したナイジェリア代表「Mikel Agu」は元日本代表「本田 圭祐」の実兄にあたる「(22-057)本田 弘幸」が手掛けた取引。同時期にAguがスペイン事務所との契約が発表されたことも湘南移籍に繋がったのかもしれない。

20年度(21年6月16日から22年6月30日まで)以降の仲介なので詳細については来年に持ち越し。市場価値がTransfermarktによると”700K€(日本円で約1億6000万円?)なのでタリクよりも報酬額は高めかもしれない。

ブラジル人の恩返し

かつて湘南でCBとして3年間プレイしたブラジル人「アンドレ バイア(André Bahia)」。クラブ退団後に引退しており、同時期にエージェント会社「Sports Advisor」を設立。ブラジル中心にマネジメントを展開している。最近ではヴィッセル神戸が興味を示している「フラメンゴ(Flamengo)」に在籍している「Hugo Souza」とも契約している。

そんな新たなキャリアを歩んでいるバイアだが近年、「鈴木 冬一」のスイス移籍に関して、サポートしたというインスタの投稿が確認された。どのような経緯で実現したのかは不明だが、少なくともバイアが湘南に対して恩を感じているように思える。

エージェントとして第二の人生を歩み始めたばかりのバイア。何かかしらの形で日本にビジネスとして来日する日も近いかもしれない。

来シーズンに向けて

湘南ベルマーレ 売上/利益/業績推移の決算グラフで経営分析 2023

数字のみの財務諸表をグラフに変換。売上、利益、総資産、内部留保を同じ縮尺で並べて、かんたんに決算を確認できます。神奈川県平塚市に本拠地を置くJリーグクラブ、湘南ベルマーレ、業績の推移や財務を紹介。

gurafu.net

経営状況は芳しくないことが来年のチーム編成にどう響くかだろうか？スポンサー収入は数年前より約15％回復した一方でチーム人件費が6％高騰しており、最終的に当期純利益をマイナス100万円を計上している。

上手く選手を入れ替えながら、来シーズンの目標である残留に導けるように編成していく必要がある。既にFC東京から「山下 敬大」を期限付き移籍で獲得しているように費用を抑えながら即戦力を集めれば目標を達成できるだろう。

～～終わり～～